【始める前に知っておきたい】FXのリスクを徹底的に解説!

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FXも投資である以上、まずはリスクを正しく理解しよう!

FXの基本!為替変動リスク

ドル円やユーロドルなどいろいろな通貨を、買ったり売ったりして、為替相場の上下を予想し、利益を狙うのが、FX(外国為替証拠金取引)です。

という事は、予想があたればその分利益になりますし、外れれば損失になります。

実際の米ドル円の場合を、考えてみましょう。

現在のレートから上がると思えば、買いで入り、実際に円安(レートが上がる)になれば、その差額分が利益になります。

ロングで入った時の利益の出し方

また逆に、現在のレートから下がると思えば、売りで入り、実際に円高(レートが下がる)になれば、その差額分が利益になります。

ショートから入った時の利益

なお、この変動幅を「ボラティリティ」といい、事前に取引する通貨ペアごとに知っておきましょう。

より、為替変動リスクをしっかり理解できると思います。

レバレッジをかけることによるリスク

レバレッジをかけると、証券会社に預けている証拠金以上に大きな金額の取引ができます。

日本のFX会社は、25倍までのレバレッジをかけて取引することができます。

そのため、4万円の証拠金を預け入れると、100万円分の外貨をトレードすることができてしまいます。

さらにFXの場合は少ない元手でレバレッジを利かせて取引をしている為、少ない元手で利益を出せる一方で大きな損失を出す可能性も同時あるということです。

そのため、顧客が元本以上の損失をしないように、強制ロスカットというシステムがあります。

【参考記事】レバレッジとは?

強制ロスカットによるリスク

強制ロスカットとは、ポジションの評価損がある一定レベルに達したときに、さらなる損失の拡大を未然に防ぐためにある制度です。

その対象ポジションを、証券会社が反対売買により強制的に決済してしまいます。

終わりました。
強制ロスカットで大損害を被りました。
今までありがとうございました。 pic.twitter.com/nDeEAokBao

— オレ的ゲーム速報JIN@FX投資部 (@oreteki_douga) January 2, 2019

主に相場が急変した時などに、投資家の損失が元本以上になるのを防ぐために、各証券会社で強制的にポジションが解消(損失が確定)されます。

強制ロスカットが発動するには、口座残高に含み損益を加味した純資産額と、今持っているポジションと新規で注文を入れているポジションに必要な証拠金の比率である「維持率」が基準です。

この維持率が50%を割ると、強制ロスカットとなるFX会社が多くなっています。

FXは「レバレッジ」をかけて、預けた金額以上の取引ができる金融商品です。

つまり、預けた金額以上の損失がでる可能性があります。

それを防ぐために、ある一定以上の損失が証拠金に対してでた場合、証券会社が強制的に決済を行います。

口座の「有効比率」(=有効評価額÷必要保証金額)が、規定の値(証券会社により異なる)を下回った際に随時ロスカットを執行し、全ポジションを強制決済します。
これがロスカットの正体です。

有効比率=「有効評価額」÷「必要保証金額」×100(%)

有効評価額:口座全体の資産価値を計るための基準金額。【計算式】「資産合計」+「評価損益」
必要保証金額:ポジションを維持するために必要な金額。【計算式】「1Lotあたり必要保証金額」×「Lot数」

一般的に証券会社では、ロスカットの水準に近付いたことをメールでお知らせしてくれます。

これを「アラートメール」といい、「ロスカットが目前に迫っているから、充分に注意してくださいね」という意味です。

アラートメールが送られた時点では、何も起きませんが、強制ロスカット手前で危険水準であるため、注意してください。

外国為替市場における流動性のリスク

FXトレードをおこなう上で、どうしても避けられないのが「流動性リスク」です。

国内で、外国為替市場の板情報がみることのできる「デューカスコピー・ジャパン」の発注画面をみてみましょう。

これはニューヨーク時間にスクリーンショットをとったものですが、1,000Kが100万通貨に相当します。

つまり、自分のポジション量が100万通貨程度であれば、充分にマーケットに板が存在するので、ドル円・ユーロドルともに画面上のプライスで約定することがわかります。

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しかし、自分が1,000万通貨を持っていたらどうなるでしょうか。

ドル円を1,000万通貨ロングで持っていたら、この瞬間利益確定のショートをしようとすると、115.005のプライスには板が157万通貨(1,570K)しかありません。

つまり、成行でドル円を捌こうと思ったら、115.004の板(142万通貨)と115.003の板(187万通貨)と115.002の板(2062万通貨)までの板にぶつけることになります。

自分の注文で、ドル円を価格が115.005から115.002まで下げてしまうのです。

ドル円やユーロドルは、外国為替市場において、流動性のある通貨ペアなので、あまり気にすることはないかもしれません。

これが、マイナー通貨ペアやメジャー通貨でもオセアニア(AUD・NZD)になると話は変わってきます。

最近で言うと、2016年の10月7日に起こったポンドのフラッシュクラッシュなどが有名ですね。

ブルームバーグが集計したデータによれば、ポンドは一時1ポンド=1.1841ドルと1985年3月26日以来の安値を付けた。トレーダーらは、コンピューターを駆使する注文が下げの引き金となり、アジアの早朝時間帯の流動性の薄さが値動きを増幅させたのではないかと疑い、ヒューマンエラーや「タイプミス」の可能性もあるとみている。また、英国はEU離脱の報いを受ける必要があるとのフランスのオランド大統領の発言を英紙フィナンシャル・タイムズ(オンライン版)が報じており、この記事が原因だと指摘する向きもある。

IGの市場アナリスト、アンガス・ニコルソン氏(メルボルン在勤)は「EU離脱に関するオランド仏大統領のスピーチを基にFTが報じた記事をきっかけにアルゴリズムが引き起こしたフラッシュクラッシュのようだ。アジア時間は取引高が小さいので、他のアルゴリズムも引きずられて下落を増幅させたのだろう」と分析した。

引用:アルゴリズムがポンド急落を誘発か-仏大統領発言や人為ミスの指摘も

アジア時間の流動性の少ない時間で、大きく売り込まれたりすると、充分な流動性がないので、板が存在せず、このようにプライスが大きく飛んでしまうことがわかります。

ボンドの5分足チャート

ここで、僕自身の流動性リスクを大きく感じた、失敗談をお話ししましょう。

2016年6月9日、NZ金利はアジア時間早朝に発表されます。

今朝がたニュージーランドの中央銀行である準備銀行は政策金利であるキャッシュレートを2.25%で据え置きを発表しました。
大方の予想通りではあったものの一部で利下げを予想する向きもあったことから、発表と同時にニュージーランドドルは1%以上急騰しています。

発表前対ドルで0.7010レベルで取引されていたニュージーランドドルは発表後一時0.7115をつけ対円でも75円近辺から76.23まで上昇しました。

引用:NZ中銀政策金利据え置きでN$急騰(2016年6月9日)

この時に、僕は流動性リスクも考えずに、NZドルを早朝から大量に買ってしまいました。

早朝6時に大きなNZドルのポジションをを抱えて、メンテナンス時間を迎えます。

NZドルは金利発表から、激しく動いていましたが、メンテナンス時間を終えると、値動きが止まってしまいます。

そして、流動性がまったくない状況になってしまいました。

1つのプライスに板が50万通貨~75万通貨しか存在せず、大きなポジションを捌ける流動性が存在しなかったのです。

東京時間に向けて、流動性が少しずつでてきたところで、その板にぶつけて泣く泣く損切りをしたことを、よく覚えています。

外国為替市場は効率的な市場で、流動性も豊富ですが、NZドルというある程度メジャーな通貨を触っていても、時間とポジション量によっては、流動性リスクを気にしなくてはなりません。

FX市場における流動性を観察したければ、板が見えるデューカスコピーの口座を開設して、板の状況を確認してみるとよいと思います。

2018年10月10日時点での、早朝6時時点のNZD/USD(NZドル/米ドル)とUSD/JPY(米ドル/日本円)の板のスクリーンショットがとれたので、載せておきます。

これを見ると、最良プライスでは板が75万通貨しか存在しないことがわかります。

これ以上のポジション量を持つ方であれば、時間帯や通貨ペアによっては流動性リスクを考えなくてはなりません。

この取引会社は、「Dukascopy」といって欧州の銀行が母体の会社なので、流動性は豊富なはずです。

銀行が親会社であっても、FXにおける流動性はこの程度が限界なのかもしれません。

NZD/USD(NZドル/米ドル)の板のスクリーンショット
USD/JPY(米ドル/日本円)の板のスクリーンショット

これから早朝に大きなポジションを持ち越すときは、外国為替市場の流動性を気にしてみてください。

週末ポジション持ち越しのリスク

ほとんどの日本のFX会社は、月曜日の朝7時に一斉に取引が可能になります。

土日に戦争やテロ、また選挙などで波乱があった場合には、月曜日の始値は金曜の終値とは大きくレートが乖離する場合があります。

次のユーロ円のチャート画像(5分足)を見てください。

窓埋め

土曜日の朝の終値と、月曜日の朝の始値が4円以上乖離していることが分かります。

多くのFX業者は、土曜日の朝5時や6時に為替レートの配信が終わります。

土日に大きなニュースがあると、月曜日の早朝、オセアニア市場が始まった時に、レートが大きく動きます。

オセアニア市場から遅れて、日本市場が始まるので、日本のFX会社の取引が開始された時には、このようにレートの乖離が起きているケースがあるのです。

オセアニア市場でパニックになって大きく売り込まれると、円高で始まるケースはよくあることです。

なお、この週末レートの乖離は「窓」と呼ばれていて、高確率で埋めることが知られています。

FX会社のシステム障害のリスク

電子取引である以上、インターネット回線の問題やFX会社のシステムの不具合によって、注文や決済できないというリスクがあります。

そのため、FX会社の口座は複数もっておくことで、FX会社のシステム障害が起きてもヘッジすることが可能です。

人為的なミスや天災によって、システム障害は充分にあり得ることなので、ご自身でFX会社を複数開設しておきましょう。

FX会社の倒産リスク

基本的にほぼありませんが、FX会社が事業がうまくいかなくなり、倒産するというリスクがあります。

大切なお金を預ける以上、頭の片隅にでも考えておきたいリスクの1つです。

国内のFX会社に関しては自社が潰れたとしても、顧客の資金は守られるように信託保全が行われています。

日本国内に営業拠点を持っている証券会社では、金融庁がしっかりと免許制にしていて監視しているので、この倒産リスクは限りなく低いと思います。

万が一国内の証券会社が倒産したとしても、顧客の資金は守られるように信託保全が義務付けられています。

信託保全とは、FX会社が顧客から預かった証拠金を信託銀行に信託することで、FX会社が破産、倒産という事態になっても、返還するというものです。

つまり、信託保全はFX会社に何かあった際に投資家を守るためのセーフティネットなのです。

海外のFX会社などは、信託保全を行っていないところが多いですし、日本の金融庁の免許を持っていません。

この場合は、会社が潰れてしまうと口座に入っているお金はもちろん戻って来ません。

FXトレードを行うなら、しっかりと日本の法律に守られている国内のFX会社にしておきましょう。

FXトレードにおける様々なリスクまとめ
  1. FXの基本である為替変動リスク
  2. レバレッジをかけることによるリスク
  3. 強制ロスカットのリスク
  4. 外国為替市場における流動性のリスク
  5. 週末ポジション持ち越しのリスク
  6. FX会社のシステム障害のリスク
  7. FX会社の倒産リスク

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プロフィール

田畑 昇人(たばた しょうと)

FX歴10年以上の個人投資家。

東大院生が考えたスマートフォンFX」は、10万部以上売れるなど、FX書籍としては異例の大ヒット。

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