テクニカル分析は万能?トレードでは因果関係を考えよう

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マーケットを分析する方法の1つに、テクニカル分析があります。

テクニカル分析とは、ローソク足を基本として、各種インジケーターを用いて、相場を分析する方法です。

書籍やnoteなどで、「このインジケーターを使えば儲かる!」「このチャートパターンはこうなる!」なんて書いてあるのは、本当でしょうか?

今日は、巷に蔓延するテクニカル分析の有用性について、考えてみたいと思います。

原因と結果:因果関係とは

「気温が上がれば、アイスの売上が伸びる」なんて、データがあったとします。

これは、普通に考えて納得できますよね。

「気温が上がれば、暑さを和らげるために、アイスの需要が増えるだろう」ということは、簡単に想像ができます。

原因:気温が上がる 結果:アイスの売り上げが伸びる

このように、原因と結果の関係を、因果関係といいます。

気温の上昇と、アイスの売上には、正の相関があることがわかりますよね。

一般的に、相関係数が1に近いほど、その関係性は強いものとされています。

原因と結果の関係性がない:見せかけの相関関係

さて、ここでもう1つ別の例を考えてみましょう。

「気温が上がれば、パソコンの売上が伸びる」なんて、データがあったとします。

さあ、これはなぜでしょう?

気温が上がる夏に、新型のパソコンが発売されるからでしょうか(あくまでも例です)

このように、気温の上昇とパソコンの需要には、因果関係が成立しないことは分かると思います。

こういった、データに相関関係があっても、実際には役に立たないケースがあるのです。

ここまでで、因果関係と相関関係の違いについて、理解できましたね?

テクニカル分析の有用性について考える

それでは、実際にテクニカル分析の有用性について考えてみましょう。

過去の相場において、あるインジケーター(移動平均やMACDなど)によるストラテジーを用いたで運用した時のパフォーマンスが良かったとします。

しかし、ここに因果関係は存在するのでしょうか?

例えば、アベノミクスという大規模金融緩和の際に、円安方向へのブレイクアウト戦略でテクニカル分析を用いるということなら、話は分かります。

原因:アベノミクスによる金融緩和で株高・円安期待 結果:円安方向にいくだろう

こういった戦略であれば、因果関係が成立するため、トレンドフォローの戦略が機能するだろうと予想できますね。

マーケットには、ランダムウォークという概念があり、ノイズが多いものです。

過去の相場を分析することは大切ですが、過去のテクニカルパターンだけを振り返って、勝率が良かったところで、未来を予測できることにはならないはずです。

なぜなら、そこに因果関係が成立しないからです。

「何故相場が動いたのか」という、原因を考えるファンダメンタルズ分析が、ここで必要になってくることが、わかりますね。

ファンダメンタルズを学ぶのに、有益な記事を二つほど紹介しておきます。
現役トレーダーが厳選!絶対読むべきおすすめFX本16選!
ファンダメンタルズ分析において重要な経済指標まとめ

なお、過去の相場に過剰に合わせることを、「カーブフィッティング」といいます。

過剰に過去の相場にストラテジーを合わせたところで、現実世界ではビジネスも投資もどんどんルールが変わるので、役に立たないことはすぐにわかると思います。

この因果関係と相関関係の違いを理解していないと、テクニカル分析だけで勝てるように錯覚してしまいがちです。

今までいろいろなトレーダーの方にお会いしてきましたが、短期間のスキャルパーでも、勝っているトレーダーほどファンダメンタルズに詳しい現実があります。

自分もまだまだ経済のことをよくわかっていないので、自戒の意味を込めて、楽して儲けるために新しいインジケーターなどに頼らず、因果関係を考える癖を身に着けたいものです。

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プロフィール

田畑 昇人(たばた しょうと)

FX歴10年以上の個人投資家。

東大院生が考えたスマートフォンFX」は、10万部以上売れるなど、FX書籍としては異例の大ヒット。

最新作「武器としてのFX」も、最高Amazon総合12位など、多くの方に読まれています。