NYダウのサーキットブレーカー(CB)が為替相場に与える影響

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世界の株式市場の時価総額の約半分は、米国株式市場が占めています。

つまり、金融市場における米国株式市場の影響はとても大きく、日経225やFXなどの他の金融商品をトレードする際にも、この米国株式市場の動向をチェックすることは必須となってきます。

最近米国株式市場で、サーキットブレーカーが発動する機会も増えてきて、乱高下するケースも増えてきました。

実際にサーキットブレーカーが金融市場に与える影響と、トレードにどう活かすかを考えてみましょう。

サーキットブレーカー(CB)とは

先物市場やオプション市場などで相場が大きく変動し、過熱してきたときに取引を一時中断する制度のことです。

これをサーキットブレーカーといい、「CB」(以下CBと表記)などと略されて使われることが多いです。

CBにより、一時的に売買が停止されるので、レートは止まることになります。

参考までに、NYダウやS&P500のCBの発動条件を記載しておきます。

  • 1段階目:前日終値より7%下落したら15分間取引を停止する。
  • 2段階目:前日終値より13%下落したら15分間取引を停止する。
  • 3段階目:前日終値より20%下落したらその日は取引を停止する。

では、このCBが発動されると、金融市場にどのような影響があるのか考えてみましょう。

CBした場合、相場はどう動く?

さて、CBが発動した場合、相場にどのような影響があるのか考えてみましょう。

一般的に、CBはリスクオフ方向に発動することが多く、株価下落局面で起こる可能性が高いです。

そのため、ここではリスクオフによる株価下落によって、CBが発動したと仮定します。

CBした場合、ポジションが捕まっている投資家はヘッジしたいができないので、他の金融商品でヘッジすることになります。

米国の投資家が、買いポジション(ロング)を持っていたとすると、米国株式の先物ではヘッジできないので、必然的に他の国の株式市場でヘッジや為替などの投機を行う可能性が考えられます。

ここで、世界の株式市場の時価総額を再びみてみましょう。

米国の次の時価総額は、なんと我が国日本なのです。

ヘッジをするなら、できるだけ流動性のある市場で行うというのが合理的なので、リスクオフ方向にCBしている間は、日経平均をはじめとする株価指数は、下落する確率が高いといえます。

外国為替市場においては、オセアニア通貨(豪ドル・NZドル)などが売られやすく、米ドル・日本円などが買われやすい、という傾向があります。

NYダウをはじめとする米国株式の先物は、CBしても一度寄ったらショートの買戻しなどで買戻しが入ることが多いです。

米国株式市場が夏時間になった今、22時半からの米国株の値動きには注意を払う必要があるでしょう。

まとめると、以下のようになります。

  • リスクオフ方向にCBしている間は、他の金融商品はヘッジ目的で売られやすい
  • CB後に米国株式市場の寄付が行われると、他の金融商品のヘッジ目的のポジションが一時的に解消されるなど、ショートカバ-が起こりやすい

サーキットブレーカー(CB)はどうやって見分けるの?

NYダウの発注画面

上記はIG証券のNYダウの発注画面ですが、右側をよく見ると、「注文確定」のところに、「お問い合わせ」が表示されていることがわかります。

このように、CFD口座もレートが止まるので、「今CBしているかどうか?」を簡単に見分けることができます。

NYダウ発注画面拡大

サーキットブレイカー(CB)をトレードに活かしてみよう

NYダウをはじめとするCBがすると、他の金融商品でもヘッジ目的の売りが殺到して、下がりやすいということがわかりました。

さて、実際のトレードに使うとどうなるのでしょうか。

2020年3月18日の米国株式市場でも、CBが発生しました。

そのタイミングに合わせるかの如く、ポンドや豪ドルは大きく売り込まれました。

僕自身は、ポンドドル(GBP/USD)のトレードを行っていたのですが、実際のチャートをみてみましょう。

GBPUSDの15分足チャート
GBPUSDの月足チャート

ポンドドル(GBP/USD) 15分足でみると、NY時間に大きく売り込まれていることがわかります。この時、NYダウは-7%以上の下落でCBが発動していました。

月足で見ても、ポンドドル (GBP/USD) はBrexit後の最安値を抜けていることがわかります。

CBした際に、同じ株式市場の日経ショートなどで利益を狙うのもありですが、為替レートが最安値・最高値を抜けている場合は、FX取引の方に軍配が上がると思います。

それはなぜかというと、外国為替市場にCBという制度がなく、実質値幅制限がないからです。

最安値・最高値を更新した場合は、片方にポジションが偏っていて、かつ板がスカスカだと考えられるので、流動性の薄い時間などであれば想像以上の大きな値幅をとれる可能性もあります。

つまり、損失を限定してエントリーさえしてしまえば、ヘッジ目的などでの売りが入った場合に、FXの方が大きな値幅をとることが可能なケースがある、ということです。

最近の金融市場は乱高下が続いていますが、落ち着いて因果関係を考えてトレードしていくと、大きな収益をあげられる可能性があることもまた事実です。

FXトレードをされている方も、これを機に株価指数のチャートも表示してみませんか?

世界の金融市場における、米国株式市場の影響力の大きさにきっと驚くはずです。

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プロフィール

田畑 昇人(たばた しょうと)

FX歴10年以上の個人投資家。

東大院生が考えたスマートフォンFX」は、10万部以上売れるなど、FX書籍としては異例の大ヒット。

最新作「武器としてのFX」も、最高Amazon総合12位など、多くの方に読まれています。