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FXには、「スワップポイント」と呼ばれるものがあります。
トルコリラ円やメキシコペソ円、南アフリカランド円などはこのスワップ金利が高く、日本人に人気の通貨ペアです。
このページでは、スワップポイントとは何か?から、スワップポイントを利用した投資法・スワップポイントの狙いの長期投資はおすすめしない理由まで、説明していきたいと思います。
スワップポイントとは?
FXでも外貨預金のような金利があります。「スワップポイント」と呼ばれるものです。
豪ドル/円(AUD/JPY)であれば、オーストラリアと日本の金利の差がスワップポイントとなります。
オーストラリアの金利が年4.5%、日本が年0.1%だとすれば、豪ドル/円(AUD/JPY)を買っていれば(ロングポジション)4.5%から0.1%を差し引いた年4.4%のスワップポイントが期待できます。
上の場合、低金利である日本円を売って、高金利である豪ドルを買うと、その金利の差額(スワップポイント)をもらうことができます。
そしてFXの場合、スワップポイントは毎朝決まった時間に付与されます。
証券会社にもよりますが、朝の6時〜7時にスワップポイントが付託するFX会社が多いです。
スワップポイントは1日単位では少額です。
ですが、長期でみると、侮れない額になることもあるので、注意が必要です。
FX会社ごとにスワップポイントがいくら付託されるのかは、毎日チェックできるので、各自確認してみてください。
トルコリラ円やメキシコペソ円、南アフリカランド円は新興国ですので、もっと金利が高く、もらえるスワップポイントも大きいです。
日数分もらえるだけでなく支払うこともある
スワップポイントは、いつももらえるばかりとは限りません。
豪ドルのような高金利通貨を売って、日本円のような低金利通貨を買った場合はどうでしょうか?
豪ドル/円(AUD/JPY)を売っていれば、0.1%から4.5%を差し引いて年4.4%のスワップポイントを支払わないといけません。
金利の差額分を支払わなければならないのです。
長期間保有すると、スワップポイントだけでそれなりの損失額になってしまう恐れがあります。
高金利通貨を売り(ショート)で保有する際には、スワップポイントに注意です。
スワップポイントにレバレッジをかけられる
FXは外貨預金と違い、スワップポイントにレバレッジをかけることができます。
これはどういう意味でしょうか?
例えば、オーストラリアの金利が年4.5%、日本が年0.1%だとすれば、豪ドル/円(AUD/JPY)を買っていれば(ロングポジション)4.5%から0.1%を差し引いた年4.4%のスワップポイントをもらうことができます。
外貨預金だと、預金額までしか豪ドル/円(AUD/JPY)を買えないので、実質のレバレッジは1倍です。
100万円外貨預金で豪ドル円を買った場合、もらえる金利は年4.4%なので、1年後に100万円は104.4万円になります。
これが、FXの場合だとどうでしょうか?
FXは、外貨預金とは違い、25倍までのレバレッジをかけることができます。
100万円をFX会社に預け入れた場合、豪ドル/円(AUD/JPY)を買うことのできる金額は、証拠金の最大25倍の2,500万円になります。
レバレッジを2倍にした場合、もらえる金利も2倍になります。
FXで100万円の証拠金で豪ドル円を200万円分買った場合、もらえる金利は年4.4%×2=8.8%なので、1年後に100万円は108.8万円になります。
このように、為替変動リスクがなければ、FXではレバレッジをかけることができるので、スワップポイントを多くもらうことができます。
FXは、外貨預金より優れた金融商品なので、外貨預金を検討されている方はFXをおすすめします。
為替変動リスクとは
FXや外貨預金は、外貨を取引するため、為替変動リスクがあります。
例えば、オーストラリアの金利が年4.5%、日本が年0.1%だとすれば、豪ドル/円(AUD/JPY)を買っていれば4.5%から0.1%を差し引いた年4.4%の金利をもらうことができます。
ここで、豪ドル/円が1豪ドル=100円だとしましょう。
100万円をすべて豪ドルに換えたとすると、1万豪ドルになります。
この1万豪ドルには金利がつきます。
1年後に4.4%の金利がついて、もし為替レートが変動していなければ、あなたの100万円は104.4万円になっていますね。
もし、円高になって1豪ドル=90円になっていたらどうでしょうか。
金利を4.4%もらっても、豪ドルに対して円は10%値上がりしたことになります。
計算してみましょう。
1豪ドル=100円の時に、1年後にあなたがもらえるお金は104.4万円でした。
しかし、1豪ドル=90円になった時に、1年後にあなたがもらえるお金は
104.4万円×(90/100)=93.96万円になります。
つまり、スワップポイントを得られても、それ以上に円高が進めば、結局はマイナスになってしまうのです。
スワップポイント狙いの投資を行う時は、こういった為替変動リスクに注意しましょう。
スワップポイント3倍デイを狙った取引方法
このスワップポイントは毎日決まった時間に発生します。
日本のFX会社の場合、ニューヨーク市場が閉まる朝7時前後(夏時間だと6時前後)にスワップポイントが付託されることが多いです。
この時間をまたいでポジションを持っていると、スワップポイントが加算されます。
スワップポイントは、2営業日後が基準にとなっています。
土曜日や日曜日はFX会社もお休みなので、木曜日の2営業日後は月曜日です。
そうするとどうなるかというと、木曜日には土曜・日曜・月曜の3日分のスワップポイントが付与されます。
木曜日の朝にポジションを持っていると、通常の3倍のスワップポイントになるのです。
これは裏ワザではなく、「スワップ3倍デイ」としてFXではよく知られた話です。
水曜日の深夜から木曜日の朝に向けて3倍のスワップポイントを目当てに、金利の高い通貨が買われやすい傾向が出てきます。
水曜日の24時頃からだんだんとスワップ目当ての買いが入り始めて、木曜日朝7時、夏時間なら6時に向けて円安になりやすい傾向があります。
この動きに便乗して、自分たちも同じようにポジションを仕込みましょう。
28時あたりから、スワップポイント目当ての大口の買いが入り、ぐんぐん為替レートが上がっていくケースもあります。
ただ、ロールオーバーされる6時、7時を過ぎると、反対に下がることもよくあります。
スワップポイント目当ての投資家が決済するからです。
なので、スワップポイントには目をくれず、ロールオーバーの10分前には決済するようにしましょう。
ただ、アメリカの政策金利が発表されるFOMC(連邦公開市場委員会)は午前4時(夏時間3時)に発表されます。
FOMCは約6週間ごとの開催なので、木曜日と重なることはまれですが、もしも重なったときは避けたほうがよいでしょう。
スワップポイント狙いの長期投資はおすすめしない理由
為替相場は、長期で言えば金利差を埋める方向に動くとされています。
現時点で、金利が高いということは、将来の利下げできる余地がそれだけあるということです。
基本的に、マーケットがリスクオフ、つまり不景気になればそれだけ各国は利下げをして株式市場を立て直そうとします。
その時に、金利が高い通貨ほど大きく利下げをしてくるので、将来的な売り圧力が大きいということを意味します。
現在トルコリラ円、メキシコペソ円、南アフリカランド円など、スワップ金利の高い新興国通貨が日本人によく買われています。
これらの新興国通貨は他国に比べ、日本人の買いポジションの比率が大きく、リスクオフ時には売られやすいです。
ここで、日本人に人気のトルコリラ円(TRY/JPY)の月足チャートをみてみましょう。
きれいなダウントレンドで、どこで買ってもスワップ金利以上に損してしまうことがわかると思います。
こうした、金利差狙いの新興国通貨への長期投資はとても難易度が高いことがわかって頂けたと思います。
マーケットにおいて、リスクとリターンは表裏一体で、金利が高いということはそれだけリスクがある商品だということです。
そのため、初心者がスワップ投資をするのはおすすめしません。何よりスワップ狙いの投資になると、スプレッドも大きいですし、流動性もかなり落ちるのでレバレッジをかけていると危険です。
当サイトでは、トルコリラ円やメキシコペソ円、南アフリカランド円への長期的な投資をおすすめしていません。
これらの通貨ペアは、スワップポイントが高いのは魅力ですが、それ以上にリスクの方が大きいと思います。
最後に、スワップポイント狙いの投資で大きな財産を築いた人は、僕の周りに一人もいないということを付け加えておきます。
- スワップポイントは通貨間の金利差による金利収入
- 水曜日などはスワップポイント3倍デイなので要チェック
- 長期的なスワップポイント狙いの投資はおすすめしない
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