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BIS(Bank for International Settlements、国際決済銀行)は、1930年に設立された中央銀行をメンバーとする組織で、スイスのバーゼルに本部があります。ドイツの第1次大戦賠償支払に関する事務を取り扱っていたことが行名の由来ですが、それ以外にも、当初から、中央銀行間の協力促進のための場を提供しているほか、中央銀行からの預金の受入れ等の銀行業務も行っています。
引用 日本銀行ホームページより(https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/intl/g05.htm/)
2019年9月16日に、BIS(国際決済銀行)によるFX市場の取引高調査結果が発表されました。
なお、この調査結果は3年に1回発表されていて、今回は2016年以来の実に3年ぶりのレポートという事になります。
→【引用元(英語表記)】https://www.bis.org/statistics/rpfx19_fx.htm
日本語でまとめている情報が少なかったので、今回この調査のハイライトと個人的に気になった点をいくつか記載しておきます。
【2019年度】BISレポートハイライトまとめ
・FX市場の取引は、3年前である2016年度の5.1兆ドルから、2019年4月で1日あたりの取引は6.6兆ドルに達しました。
FX市場における取引量は3年間で約29.4%も増加したこととなります。
なお、1ドル=100円とすると、1日あたりの外国為替市場は660兆円もの金額が動いています。
日本の国家予算が年間100兆円程度なので、実にその6.6倍もの金額が取引されていると考えると、その大きさがわかりますね。
・米ドルと介する取引は全体の88%で、通貨としての米ドルの絶対的な地位は揺らいでいないようです。
なお、ユーロの取引も32%とシェアを拡大しており、日本円の取引は2016年と比較して5%ほど低下して、約17%にまで落ち込んでいます。
引用:https://www.bis.org/statistics/rpfx19_fx.pdf
・中国本土はまた、取引活動の著しい増加を記録し、8番目に大きいFX取引市場となりました。
世界三大市場の1つである東京市場の存在感が低下して、中国市場が伸びていることがわかります。
・今回日本円の取引が低下したのには、米ドル円のボラティリティの低下が主な原因の1つと考えられます。
「ミセスワタナベ」といわれた日本人投資家の参加者は米ドル円の取引ボリュームを減らしているのではないでしょうか。
・米ドル円の取引が低下したのに対し、ユーロ円や豪ドル円などクロス円の取引は3年前と比べて増加傾向。
しかし、市場全体で見るとメジャー通貨ペアと呼ばれるには取引量が不足している様子です。
ボラティリティの高いポンド円などは、表に載っていないためグローバルで見た場合にボリュームが少ない通貨ペアに入ると言っていいでしょう。
・トルコリラ円や南アフリカランド円など新興国通貨の取引は、円建てでみると増加しています。
これは他の国と比べても異例の高い数値を出していることから、日本人はスワップ狙いの高金利通貨投資を積極的に行っている様子。
このような日本人特有の投資行動が、日本時間早朝などの流動性の薄い時間に「高金利通貨売り・円買い」が狙われる原因の1つでもあります。
・スポット取引のボリュームは増加傾向ではあるが、そのシェアは2016年の33%から2019年は30%まで落ち込んでいます。