【プロスペクト理論】利益を出すうえで知っておきたいFXに必要なメンタルとは?

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トレードするうえで、人間とは非合理的な生き物であることを理解する必要があります。

そこで、トレードに大切なメンタルとどうしても覚えてほしい「プロスペクト理論」を紹介します。

FXに必要なメンタルとは

トレードではメンタルが大切だ――。

これはFXにかぎらずトレードでよく言われることです。

もちろんメンタルは大切であることに異論はありませんが、それ以上に大切なのは「期待値の高いトレードを仕掛けること」です。

トレードを仕掛けようと思っても、正しい知識があることと、それを正しく実行するスキルがあることとは別です。

これは、スポーツの世界で考えれば、それはすぐにわかることです。

まず必要なのは基礎的な技術で、バットやラケットの振り方を知らずにメンタルをいくら鍛えたところで、いい成果は得られません。

基礎技術のない人がメンタルをいくら鍛えても成果につながらないのは、FXでも同じです。

FXで基礎技術にあたるのが「優位性のある場面でトレードを仕掛けること」です。

そのためには、ファンダメンタルズやテクニカルといった知識も欠かせません。

メンタルが大事なのは、もちろん当たり前なのですが、「メンタルが一番大事」なんていうのは迷信です。

しかし、メンタルを正しくコントロールできないと、どれだけトレードの技術を持っていても、宝の持ち腐れになりがちです。

FXを正しく「トレード」するためにも、生活習慣やメンタルは土台に成り得るので、大切にしてください。

損切りの重要性とプロスペクト理論

投資における損切りの重要性

「損失を小さくし、利益を大きくすること」が相場に勝つコツです。
投資で勝っている人は「損切りを確実にできる」人なのです。

トレードで勝ち残っていくためには、損切りが必要です。
勝つ方法は様々でも、負けるトレーダーに共通していることがあります。

それは「損切り下手は必ず負ける」ということです。

エントリーと同時にストップは必ずいれるべきです。

損切りはトレーダーにとって息を吸うのと同じです。

意識せずともやっている当然のことなのです。

ノーベル経済学賞を受賞したプロスペクト理論

ここでノーベル経済学賞を受賞したプロスペクト理論から、人が何故損切りをできないか考えてみましょう。

プロスペクト理論

上の図をすごく簡単に説明すると、自分たちが投資した商品の価格を参照価格とします。

利益を1円獲得した時の喜びを1と仮定すると、損失を1円出したときの悲しみはその2倍、−2です。

人間は利益を早く確定したがり、損失を回避する傾向がある事のです。

X軸(横軸)が右にいけばいくほど、利益は増えるが、それに比例して人間は価値を感じていない事が分かります。

つまり、1万円稼いだ時と、100万円稼いだ時は単純に比較して、喜びは100倍にならないと言う話です。

そしてX軸(横軸)が左にいけばいくほど、損失は増えるがそれに比例して人間の感情はどんどん鈍感になっている事が分かります。

つまり、人間は含み損を最初抱えると、とてつもない苦痛を感じるが、だんだんと曲線の傾きが緩やかになっていくことが分かると思います。

一度含み損を抱えると、人間の心理としては「値が戻るまで持っていよう」という心理状態に変わります。これが損切りを行う上で足枷になるのです。

トレードで生き残っていくためには、上記の理論を理解した上で、本能に背く必要があります。

成功に必要なのは「素直さ」です。

「損しないこと」を目的にする愚策

トレードは利益を生むためにやるものです。

先ほどのプロスペクト理論で述べた通り、人間は損失回避傾向があり、一度含み損を抱えると、投資の目的が「損をしない事」に変わります。

トレードで勝ち続けていくためには、自己規律と本能に立ち向かう強さが必要です。

トレードでポジションを持つ前に、いくらまでなら損してもいいか。
撤退ラインを明確に描いてから参入しましょう。

人は損したくない生き物です。

損失を確定させたくないからこそ、ずるずると負けポジションを引っ張ってしまいがち。

トレードを仕掛ける以上、負けはどうしてもうまく付き合っていく必要があります。

トレードの損失は「もうどうでもいい」と思った後に大きくなる

みなさん、こんな経験はありませんか?

「もうどうでもいい」と思ってやけくそになってから、損失がみるみるうちに膨らんでロスカット。

損失をすると、取り返したくなる気持ちはよくわかります。

ギャンブラーの世界でもよくいわれることですが、損失の9割は「もうどうでもいい」と思った後に生じるのだそうです。

プロスペクト理論からいうと、損失の金額が大きくなっても心理的な痛みは増加しないため、このような「塩漬け」状態が起こります。

こうなってしまうと、勝てる勝負も勝てないものになってしまうのです。

脳が金銭感覚をマヒして、「損失に慣れてしまう」と、その後に正常な判断ができなくて大金を失った、なんていうのはよくある話です。

そのような状態になったら、少し相場から距離を置いて冷静になるといいでしょう。

感情的にならないためにも余剰資金でやろう

人は感情的になってしまうと、レバレッジをかけたりオーバートレードして資金を余計すり減らしてしまう生き物です。

感情的にならないために、メンタルをコントロールすることは大切ですが、それもなかなかすぐにはできないもの。

そのため、投資は余剰資金でやることをおすすめします。

余剰資金の範囲内であれば、感情に振り回されず、冷静に判断できるはずです。

デモトレードなどでは、実際のお金が増減するわけではないので、アツくならないものですが、実際に自分の資産を投じるとなると、話は変わってきます。

最初は、数百円減ったりするだけでも悲しいものです。僕のスタートラインもまったく同じでした。

勝てるようになって、徐々に取引数(ロット)を増やし、だんだんと慣らしていくものです。

最初から、負担になる金額やロットでやる必要などありません。自分のペースでいいのです。

羅針盤のない航海など無謀です。
負けは小さくおさめることが勝てるトレーダーへの第一歩。

まずは、負けないトレーダーになりましょう!

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プロフィール

田畑 昇人(たばた しょうと)

FX歴10年以上の個人投資家。

東大院生が考えたスマートフォンFX」は、10万部以上売れるなど、FX書籍としては異例の大ヒット。

最新作「武器としてのFX」も、最高Amazon総合12位など、多くの方に読まれています。