FXでトレンドが出る時にはきちんと順番があるよ、というお話

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FXの最大の醍醐味はトレンドフォローです。

大きく動く値動きに乗っかって、大きく稼ぐ。

これこそ投機が最も面白い瞬間であり、そして最も稼げる瞬間でもあります。

しかし、金融市場においてトレンドが生じるのは、そんなに多くなく、ポジションをとるタイミングを間違えると、ド底売り・天井買いになってしまいます

今回は、「リスクオフ時の円買いで大きく動く時には、きちんと順番があるよ!」というお話です。

2019年3月22日の下落は欧州市場が発端?!

まず、先週の金曜日(2019年3月22日)にドイツのPMI速報値が発表されました。

結果として、予想の48を大きく割り込む44.7と大幅に悪い結果でした。

これを受けて、ユーロは暴落。クロス円にも波及がみられました。

この時に、一番注目してほしいのは、トルコリラ円です。

トルコリラ円の日足チャート
トルコリラ円の一時間足チャート

上記は、金曜日のトルコリラ円のチャートです。

この日、欧州時間に入ってからトルコリラ円は下降トレンドに入っていることがわかると思います。

実は、金曜日の時点でトルコリラ円のロングは2019年1月3日のフラッシュクラッシュ直前の水準を超えていたのです。

この時に、円買いが生じると、トルコリラ円をロングしているプレイヤーは損切りをせざるを得ません。

僕は基本的に、新興国通貨を触らないので、欧州時間の値動きを見て円買いを考えます。

この時のドル円の一時間足のチャートはこうなっていました。

僕は、東京時間安値ブレイク(赤丸のところ)でドル円のショートを持つことを決めました。

ドル円の一時間足チャート

これは金曜日の値動きを通貨別ごとにインデックス化して表示したものです。

水色が円で、赤がユーロなので、金曜日のデイトレードとしては、メジャー通貨ペアではユーロ円が最大効率だったことがわかります。

ちなみにトルコリラ円は約5%の下落をしていました(米ドル円に例えると約5円の下落だと思ってください)

各通貨ごとの変動率

なぜユーロ円ではなく、ドル円のショートを選択したかというと、理由は2つあります。

1.2019年3月20日FOMCで年内の利上げがない→米金利の低下

僕がポジションを取る時には、直近の大きな指標のファンダメンタルズを重視しています。

この日であれば、結果的にはユーロ売りを選択すべきでしたが、現在のユーロドルは方向感がありません。

直近のPMIという経済指標よりも「年内利上げなし」という米国の金融政策の方がネタとしては大きい、という判断をしたため、ドル売りを選択しました。

こうしたファンダメンタルズの裏付けがあると、多少の値動きに惑わされることなく、ポジションを保有することができます。

今回の場合は、「利上げが遠のいて米金利が低下している」→「ドル売りになるだろう」というシナリオです。

2.新興国が崩れるとクロス円、そして最後にドル円の順番で崩れる

今回の一番のテーマはこれです。

株であれば、ITなどの新興市場(NASDAQなど)や小型株(ラッセル2000など)が崩れ、最後に大型株(ダウ、S&P、日本であれば日経225など)が崩れていきます。

記憶に新しい2017年盛り上がった仮想通貨であれば、アルトコインが崩れ、最後に基軸であるビットコインが崩れていきます。

2019年1月3日のフラッシュクラッシュでは、面白い現象が起きました。

フラッシュクラッシュ前後の米ドルとトルコリラ一分足


引用元:@takagifx

上記のフラッシュクラッシュという短い時間軸でもわかる通り、為替市場でも、まったく同じことが言えます。

まず新興国通貨が崩れて、次にクロス円(特に資源国である豪ドル円)、そして最後にドル円が崩れるのです。

この日トルコリラ円は大幅に下落していたため、ドル円も110円を割って引けました。

このように、リスクオフの時にはドル円だけでなく新興国通貨やクロス円をみることによって、トレンドの強さを測ることができます。

さらにいえば、新興国通貨やクロス円の下落をみてから、一番流動性の厚いドル円に時間差で波及してくることもあるので、金融市場全体をチェックすると相場が崩れる時には、規則性があるものです。

さて、月曜日からのトルコリラ円の値動きを見てみましょう。

トルコリラ円の一時間足チャート

トルコリラ円は週明けの月曜日から大きく反発。

東京時間にドル円は下落していたものの、クロス円全般が強かったので、結局底になってしまいました。

このように、リスクオフ時のトレンドには各通貨順番に崩れていき、新興国通貨やクロス円が崩れ切ったとき、ドル円も底になることがわかります。

ちなみに、僕は東京市場でトルコリラ円のチャートのチェックを怠り、ドル円ショートの含み益を大きく減らすこととなりました。

まとめると、以下のようになります。

・リスクオフ時の為替市場が大きく動く時には、順番がある

・通貨の崩れる順番は新興国通貨、クロス円、最後に一番流動性の厚いドル円

・新興国通貨、クロス円が底をついた時、ドル円がオーバーシュートしても底の確率が高い

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プロフィール

田畑 昇人(たばた しょうと)

FX歴10年以上の個人投資家。

東大院生が考えたスマートフォンFX」は、10万部以上売れるなど、FX書籍としては異例の大ヒット。

最新作「武器としてのFX」も、最高Amazon総合12位など、多くの方に読まれています。