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田畑昇人のFXブログ

【書評】タートル流投資の魔術

FX , 書評   

タートル流投資の魔術

伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術
カーティス・フェイス
徳間書店
売り上げランキング: 1,463

カリスマ・トレーダー、リチャード・デニスとウィリアム・エックハートが教育した常勝投資軍団「タートルズ」。ほとんどのメンバーが未経験だったにもかかわらず、わずか2週間の研修プログラムによって、マーケットで次々と巨額の利益をあげていった。当時19歳の最年少タートルだった著者も、わずか4年で3000万ドルを稼ぎ出す。一体彼らは、どんな手法を伝授されたのか?業界を席巻しながらも、多年秘密のベールに包まれてきた“タートル流”の全貌を、軍団の最高エリートが初めて明かす。

「優秀なトレーダーは教育できるのか?」

この命題に、2人のトレーダーが真っ向から意見が対立します。

そして、実際に2人は賭けを行うことに、

その結末は?!

多くの格言も登場し、相場の世界について学ぶこともできます。

読み物としても面白く、おすすめです。

 

印象に残ったこと

・人間の感情を読む

人間の感情は、取引のチャンスが生まれる源であり、同時に人間の最大の敵でもある。感情を支配すれば成功する。感情を無視すれば危機に陥る。

取引をうまく運ぶコツは、人の心を読む事だ。市場は人で構成され、人は誰もが希望を、恐怖を、弱みを抱えている。トレーダーは人間の感情からチャンスが生まれるのを、虎視眈々と待ち構えていなくてはならない。
人は意思決定の際に感情に左右されやすい。論理的に考えていても、だ。価格を上下させるのは投資家の心理状態であり、マーケットはそれらを反映した結果に過ぎない。
大きなストレスを受けると、人はリスク評価を誤り、リスクの発生率を読み間違える。行動ファイナンスによると、人は大きなストレスを受けると、めったに完璧で合理的な決断を下せないという。成功するトレーダーは、人間のこうした傾向を踏まえ、そこから利益を得る。彼らは、他人の判断ミスがチャンスにつながることを知っている。そして、有能なトレーダーは、そういうミスが市場の動きにどう現れるかを理解している。

長年にわたり、経済、金融理論は市場の参加者が合理的であるという仮説の元に発展してきた。これは、人間が意思決定の際、合理的に行動し、手に入るあらゆる情報を精査するという前提である。トレーダーにすれば、そういう前提はナンセンス以外の何ものでもない。市場が効率的であるならば、ケインズのような超一流の経済学者が投資で失敗するはずがないし、情報がただちに価格に反映されてしまうため、スキャルピングやデイトレードなどの短期間のトレードで収益を上げることは不可能であろう。勝つトレーダーは、他のトレーダーの不合理な行動パターンを読み、それを出し抜くことで金儲けをする。

合理的なトレーディング法は、今もこれからもうまく機能する。というのは、このトレーディング法が基礎にする市場の動きは、全ての人間が心を持ち、それ故に繰り返し発言する体系的な不合理さから生まれるからである。

 

・トレーディング方法

1.トレンドフォロー(順張り)

トレンドフォローでは、トレーダーがトレンドに沿って取引する手法である。市場が過去の最高値、あるいは最安値をつけた時に市場に参入し、トレンドの勢いに乗る手法である。
トレンドフォローは先物取引において、ずっと変わる事なく大きなリターンを生んできた。が、いくつかの理由から、誰にでも気軽にできる戦略とは言いがたい。
最も主な理由は、大きなトレンドなど滅多に起こらないということだ。このため、トレンドフォロー戦略では普通、勝ちトレードより負けトレードになる確率の方が高い。典型的なトレンドフォロー戦略では、65〜70%が負けトレードになると見てよい。

2.カウンタートレンド(逆張り)

カウンタートレンドとは、トレンドフォローとは逆の戦略を使って儲ける取引スタイルをいう。カウンタートレンド戦略を使うトレーダーは、マーケットが新高値をつけた時に買うのではなく、新高値付近で売りを行う。
というのは、新高値はトレンドを形成しないだましのブレイクアウトであることが多いからだ。

 

・トレーディングの期間

 

・市場の状態を観察する

    1. 全体的に安定し変動小
    2. 全体的に安定し変動大
    3. トレンドありで変動小
    4. トレンドありで変動大

 

・エッジのある取引

トレーディングの最も重要な要素であり、勝つトレーダーと負けるトレーダーを分かつアプローチ法及び考え方の大きな差は、取引に関して長い目で見て考え、エッジ(優位性)のある取引を行う事にある。

長期に渡って勝ち続けるトレーディング手法には、ギャンブルでいうところのエッジがある。エッジとは、賭けの相手であるBに対し、Aが構造的に持つ強みをいう。一般的に、カジノは客に対してエッジをもつ。
しかし、カジノゲームの中にはプレイヤーがエッジを持つものもある。記憶力のあるいいブラックジャックのカードプレイヤーは、低位のカードがほぼ出尽くしたと気づいた時、ハウス(カジノ)に対して一時的なエッジをもつことができる。つまり、残り札からカードを1枚引くと、それが高位のカードである確率が高いということだ。

こういう時プレーヤーは、ハウスより有利な立場にある。つまり、ハウスに対し一時的なエッジを持つ。ハウスは、絵札をルール通りに読み替えても、手札の数の合計が17になるまでは、必ずカードを引かねばならないからだ。場に高位のカードがたくさん残っているということは、その中の一枚がハウスをバースト(破産)に追い込む可能性が高い事を意味する。何故なら、手札の合計が21を超えた時点で、ハウスが負けるからだ。

だから、腕のいいカードプレイヤーはエッジがハウスにある間、つまりゲーム中のほとんどの時間を小さな掛け金でプレーする。チャンスが巡ってきて、エッジが一時的にプレーヤー側に移るのをじっと待つのだ。その時が来たら、プレーヤーは掛け金を増額して、ハウスに対する優位性を生かそうとする。

 

・取引する際に心掛ける事

1.エッジのある取引をせよ…正の期待値を持つトレード戦略、すなわち、長期で見てプラスのリターンを生むトレード戦略を見つける事
2.リスクを管理せよ…損失期間にも取引を手仕舞いせず済むよう、リスク管理をしっかり行う事。でなければ、正の期待値を持つシステムから利益を得られない。
3.首尾一貫せよ…計画は、首尾一貫して遂行する事。そうすれば正の期待値を達成できる。
4.シンプルであれ…シンプルなシステムは、複雑なシステムよりも長期に渡って持ちこたえる。

そして最後に、取引で成功するには、感情的、心理的な強さが肝心である。

 

・正しい取引とは

正しい人間がよい取引をするわけではない。正しく取引すれば、それがよい取引になる。成功したければ、長期的展望に立って物事を考え、個々の取引の結果は無視する事だ。

 

・するべきことと、してはならないこと

1.現在形で取引せよ…過去にくよくよしたり、未来を予測してはならない。前者は非生産的で、後者は不可能だ。
2.予測しようとせず、確率で考えよ…市場を予測して当たりをとろうとするより、長い目で見て成功する確率の高い手法に集中すべし。
3.取引には自分で責任をとれ…自分の過ちや失敗を、他人や市場、ブローカーなどのせいにしてはならない。過ちは自分で責任をとり、そこから何かを学ぶ事。

トレーディングが上手くいかないと、すぐ言い訳する人がいる。多くの人が自分の失敗を、他人のせいにしたり、自分では変えようのない環境のせいにしたりする。失敗すると、自分以外のあらゆる人間に責任をなすりつける。恐らく、自分の行動とその結果に責任を取れないことが、失敗につながる唯一にして最大の因子なのだ。
実際のトレーディングは、この悪癖を打破するよい方法だ。突き詰めれば、取引には自分と市場しかない。市場からは逃げも隠れもできない。取引をうまく行えば長期的にいい結果が得られ、その逆であれば、長期的に損をする。
マーケットには、あなたから金をむしり取ろうとしているトレーダーが山ほどいる。取引をするなら、その結果にも責任を持てということだ。間違えを犯したなら、その結果から学べばいい。現実から目を逸らしても何も変わらない。

 

・支持線と抵抗線

人間には、すぐに手に入る情報に照らして価格を認知する傾向がある。これを係留(アンカリング)という。直近の新高値あるいは新安値は、それ以降の価格を比較・計測するアンカーになる。これらの値が支持線・抵抗線になることも多く、売り手と買い手の熾烈な攻防が繰り広げられるポイントである。

 

・トレーディングの目標

トレーディングで何よりも大事な目標は、ゲームに生き残ることだ。

時間はあなたの見方。現実的な期待値を持つシステムや手法は、最終的にあなたを金持ちにしてくれるはずだ。時には、夢にも描かなかったような大きな儲けをもたらすこともある。しかし、それもトレーディングをそこまで続けていることが大前提となる。
トレーディングは短距離走ではない。ボクシングだ。あなたを殴りつけ、もてあそび、打ち倒すためなら市場はどんなことでもしてくる。しかし、勝利するためには12ラウンド終了のゴングが鳴り響くとき、リングに立っていなければならない。

 

・優れたトレーダーになる条件

優れたトレーダーになりたいのなら、自我を乗り越え、謙虚さを身につけなければならない。

謙虚になれば、将来を計り知れないものとして受け入れることができる。謙虚になれば、取引が不利な展開になったり、損失を被って退出を余儀なくされても、腹を立てずに済む。謙虚になれば、単純な概念に基づく取引を採用できる。自分を特別と感じるための秘密をもつ必要がないからだ。

ここに書いてあることは、実行に移さなければなんの意味もないことを忘れないで欲しい。本気でトレーディングをしたいなら、最初の一歩を踏み出そう。

私はそうした。そして、それを悔やんだ事は一度もない。

 

・エピローグ

森の中で道が二つに分かれ、そして私は…
私は足跡が少ないほうの道を選んだ
それがそのあと起こったすべての鍵だった

恐れる事なく他の人とは違う人間になり、誰もやらないような何かをやり、自分だけの道を歩め。

リスクは友達だ。恐れてはいけない。理解し、制御し、ともに踊れ。
失敗は成功と学習の必要条件である。

私はたびたび、義務的な物事を虚しく追求して自分を見失っている人々に会う。両親や教師を喜ばせるため、よい仕事に就くため、たくさんのお金を稼ぐためなどの目的で、彼らは自分で選んだのではなく、他者が用意してきた道を歩んできた。
当然彼らは、夢に見たものや自分がなりたかったものからかけ離れた場所へと連れられていく。自分には選択肢があったという事実を見失ってしまうのだ。人生のどの時点になっても別の事をやる決心はできる。
多くの企業には、この決められた道を表す言葉がある。それは【出世レール】とか、ただの【レール】とか呼ばれる。うまい例えだ。機関士はどの路線を走るか決められない。意思決定はレールを敷く人間と、走行中にポイントを制御する人間が行う。ほとんどの人々が夢を追いかけないのは、努力が報われずに失敗することが怖いからではないかと考える。自分が切り開いた道で試されるよりも、無難に歩き通せることが分かっている道、あらかじめ決められた道をいく方がよいと信じている。
気づかないうちにレールに乗る。そしていったん乗ってしまうと、そこからはずれるには意識的な努力を必要とする。そうしない限り、彼らはレールの導くまま終点に辿り着き、そこはおそらく行きたかった場所ではないのだ。意識的にレールに乗るわけではないので、夢から遠く離れてしまうまで、自分がどこにいるのかさえ気づかないかもしれない。
個人の成功を妨げるのは、客観的な事実ではなく、自分には不可能だと考えて限界を設けてしまうことなのだ。成功を信じられないからといって、一歩を踏み出さなければ何も始まらない。挑戦すれば、失敗するかもしれない。しかし、一度も挑戦しなければ、成功する事は決してない。

それに、失敗はそれほど悪くない。ダライ・ラマは、敵に感謝せよと言った。敵は、友人や家族よりも多くのことを教えてくれるからだ。
学ぶには失敗する必要がある。間違いや失敗を受け入れる気持ちがなければ、学ぶ事はできない。

日本人は英語を話す事を嫌う。外国から見ると、日本の教育レベルは高い。
語学習得の差は、間違えたり発音が変だったりすることを恐れる度合いによるものだろう。自分の言葉がどう聞こえるかを気にしない人もいる。彼らはとにかく会話を始める。言語を学ぶ人は誰でも間違えることがあるし、それも学ぶ過程の一つだと分かっているのだ。そういう人は失敗しながら経験とともに進歩していく。自分が言った事に相手がぽかんとした顔で反応するたびに、学ぶ。レストランで料理を注文して、頼んだものと違う料理が出てくるたびに、学ぶ。

もし間違った道、望まない場所へと続くレールを進んでいることに気づいたら、埋没費用効果に関する考察を思い出して欲しい。好きでもないキャリアにどれほど時間をかけたか、うまくいかないと分かっている関係にどれほどお金を費やしたかを気に病んではいけない。現実から逃げても何も変わらない。
現実は、どんなに消えて欲しいと願っても執拗に迫ってくる。現実から逃げずに受け入れる。そうすれば、物事が望みや期待と異なっている時、方向性を変える事が容易になる。現実に不平を言わず、気に病まず、空頼みをしない。具体的な行動を起こして、現実に適応するべきである。

今まであなたが夢を諦めていたとしても、これからは夢を追いかけて欲しい。
試みて失敗したら、その失敗から学び、もう一度挑戦すればいい。
粘り強く続ければ、自分の目標にどんどん近づくことができる。
思い切って行動に移そう。
思っていたよりよい結果が得られるかもしれない。
試してみるまでは分からないのだ。

 

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