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田畑昇人のFXブログ

【書評】ソロスは警告する

FX , 書評   

ソロスは警告する

ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ
ジョージ・ソロス 松藤 民輔 (解説)
講談社
売り上げランキング: 66,967

哲学者、慈善家、自由主義的な政治運動家でもある。自身を「国境なき政治家」と称す。
1960年代にファンドを立ち上げ、2010年時点のソロスのファンドの運用資産(そのほとんどは現在では彼と彼の家族の個人資産からなる)は270億ドル。個人資産は220億ドル(2011年)。思考の不確実性と現実の出来事の不確定性の双方向の繋がりに関する概念「再帰性 (reflexivity)」の理論を提唱。2011年1月26日、ファンドでの投資活動から引退したことを明らかにした。同年7月26日、ソロス・ファンド・マネジメント内の外部投資家資金を全額年内に返還することを決定。
また、1979年に始まる慈善事業への寄付金総額は、2011年までに80億ドルを超えた。

イングランド銀行を破綻させた、伝説の男「ジョージ・ソロス」の本。

ジョージ・ソロス

彼が、現在の資本主義の世界をどう見ているのか。

彼が、どうやって相場の世界に対峙しているのか。

そんなことを学べる本です。

 

印象に残ったこと

・人間は世界を完全に理解することはできない

私たちは世界の一部であるために、その世界を完全な形では理解しえない。
特に人間が人間社会について理解しようとすると、観察者である人間もまた観察対象である人間社会の一部であるという事実が、理解の妨げとして最大の障害となる。

一方で人間は、自分が生きる世界を知識として理解しようとする。
これを「認知機能」と呼ぶ。

その一方で人間は世界に影響を与えようとし、自分にとって都合のいいように改造しようともする。
これを「操作機能」と呼ぶ。

そして、現実の世界ではこれらは互いに干渉し合っている。

市場を例に例えてみると分かりやすい。
人々は将来の株価を予想して株の売買をするが、株価そのものは株の売り買いをする人たちの予想によって決まってくる。

予想は知識として不完全なものだ。
完全な知識が得られない以上、参加者達は主観的な判断なり偏見なりに頼ることで何らかの意思決定を行わなくてはならない。

株価が人々の行動に影響を与え、人々の行動が株価に影響を与える。
結果として、予想と現実はかけ離れたものになっていく。

・合理的期待理論の嘘

従来の経済学の世界では、「認知機能」と「操作機能」の干渉がなく、「市場参加者達は完全な知識をもち、合理的に行動する」という仮定の元に発展してきた。
だが、金融市場の現実は「市場参加者は完全な知識に基づいて決断を下すわけではない」というものだ。

人間においては認知機能と操作機能が互いに干渉し合っているために、どちらの機能も不確実性なり非決定性なりを排除しきれない。
このことは、市場参加者にも、そしてマクロ経済運営に責任を負い、金融市場を監督・規制する金融当局にも当てはまることである。
つまり、市場参加者も金融当局も、不完全な理解だけで行動しているのだ。

・社会現象と自然現象の差異

社会現象と自然現象は、その構造が異なっていると考える。
自然現象においては、化学反応にせよ、物理反応にせよ、ある事実の一部を直接、次の事実の一群に結びつける「因果の連鎖」が存在する。

だが、社会現象に関しては、この因果の連鎖は遥かに込み入っている。
事実のみならず、参加者のその事実に関する解釈や、複数の人間間による解釈の相互作用もまた、因果の連鎖に加わってくるためだ。

 

・バブル誕生➡崩壊のモデル

  1. 初期段階ではまだこのトレンドは理解されていない。
  2. 続いて訪れるのが、加速段階である。この時にトレンドは理解され、支配的なバイアスによって強化される。この時点で、すでに株価は均衡水準からかけ離れてしまっている。
  3. その後、試練の段階がやってきて、株価は一時的に下落する。
  4. 確立期。もしもバイアスもトレンドもこの試練を克服すれば、どちらもかつてない程強くなり、結果的に均衡からかけ離れているはずの株価が、しっかり確立してしまう。
  5. だが、いずれは誇張された期待を、もはや現実が支えきれない正念場がやってくる。
  6. 次の「黄昏の期間」で、ゲームに参加し続けている者達も、自分たちのやっていることの危うさに気づいている。
  7. とうとう転換点に達し、トレンドは一気に下向きになり、バイアスも逆転する。
  8. その後に発生するのは「暴落」として知られる、破滅的な下向きの加速だ。

このバブルのモデルは左右非対称であることに注目してもらいたい。
ゆっくりと始まり、徐々に加速し、落ちる時は上昇するときよりも速いのである。

 

・すべての「再帰的」過程がバブルになるわけではない

金融市場において、市場の参加者達は、常に不完全な理解に基づいて行動する。
結果として、市場価格は正確な評価ではなく、むしろ支配的なバイアスを反映することの方が普通なのだ。
ほとんどの場合、その評価が間違っていることは後になって証明され、バイアスは解消されるのだが、その後に発生するのは均衡値に対する正しい認識の普遍化ではなく、新たなバイアスなのである。

ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ
ジョージ・ソロス 松藤 民輔 (解説)
講談社
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