大きな経済指標や金融政策発表時は、事前のコンセンサスをリサーチすることによって、トレードに大きく役立てることができます。
2016年12月8日のECBにて、行ったトレードを簡単に振り返ってみたいと思います。
【指標】欧州中銀、政策金利0.00%で据え置き 予想通り
欧州中央銀行(ECB)は8日に開いた定例理事会で、政策金利を現行の0.00%で据え置くことを決めたと発表した。市場の予想通りの結果となった。
また、中銀預金金利を現行のマイナス0.40%、限界貸出金利を現行の0.25%で据え置いた。
→金利自体は予想通りなのでインパクトはなし。
今回のECBの焦点は、QE(Quantitative Easingの略で、量的緩和政策)の延長と、実際の買い入れ金額でした。
事前予想は、月額800億ユーロ×6カ月のQE延長。
しかし、実際の発表は、月額600億ユーロ×9カ月のQE延長。
事前予想:800億ユーロ×6カ月=4800億ユーロ
実際の発表:600億ユーロ×9カ月=5400億ユーロ
ちなみにこの時、「zerohedge」のツイートで、1分後には結果が分かっていました。
ECB TAPERS: From April 2017 the net asset purchases are intended to continue at a monthly pace of €60 billion until the end of December 2017
— zerohedge (@zerohedge) 2016年12月8日
ここで、実際の1分足のユロドルの動きのチャートを見てみましょう。
指標発表後15分以内に、チャートを見ると1.079→1.087→1.079→1.074と、一旦全戻ししていることがわかります。
「月額800億を600億に減額」→ユーロ買い。
「QE延長期間→コンセンサスは6ヶ月、でも発表は9ヶ月」→ユーロ売り
800億が600億に減額されたので、マーケット参加者はテーパリングを期待して初動はユーロ買い。
しかし、QE延長が6カ月から9カ月に伸びている材料が好感され、その後ユーロ売りに傾いています。
ボラティリティの激しい指標時の全戻しは、片方が狩られるまで動く傾向があります。
この場合、天井のロンガーをふるい落とすまで売り込むのが定石です。
なお、このようなパターンは雇用統計やFOMCでも見ることができます。
材料出尽くしで、高値掴み・底値売りをした人を損切りさせる動きなのです。
短期トレードでも、ポジションの偏りを読むことは大切です。
このような短期トレードにおいては、発表から15分程度で、指標結果は織り込まれます。
このルール通りいけば、ユロドルを全戻し地点からの1.079あたりからショートすることによって、50pips程度とれる取引でしたね。
ちなみにこの時の金利の動きは以下のようになります。
ドイツ金利が急降下して、それに応じてユーロが売られたことがよくわかりますね。
その後のドラギ総裁の会見時の主な要人発言は、以下の通りです。
【要人発言】ドラギECB総裁「2017年のユーロ圏GDP伸び率は1.7%(9月時点1.6%)」
【要人発言】ドラギECB総裁「2017年インフレ率見通しは1.3%(9月時点1.2%)」
指標発表から30分程度立つと、インパクトが大きい場合は、トレンドが発生しています。
今回の材料がどれくらい大きいのかは、主観で判断しづらいので、落ち着いて押し目を拾う・戻りを売るという取引をすると、安全に取引することができます。
以下は、トレンドが出てからの2派目を狙ったエントリーです。
基本的には、1分足のMACDとラインを使ったシンプルなもので、安値更新を狙ってエントリーしました。
選択通貨は、ユロドルです。
1.068付近で上値が重く、MACDがクロスする動きを見せていたので、ショートでエントリー。
安値更新の1.064を狙います。
利食いのタイミングは、取引の通貨が反転したときが望ましいです。
ECBではユーロが焦点になるので、監視する通貨はもちろんユーロ。
この場合、ユーロの戻り売りを選択するわけですが、ユーロがらみの通貨ペアを3つほどみていると、反転のタイミングがきれいにわかります。
参考までに、ユロオジとユロドルで大きい1分足がでて、ちょうど反転するのが23:27です。
損切りとともに利食いにもロジカルな理由をつけるトレードを心がけたいですね。
参考までに、5分足のユロドルのチャートも置いておきます。
反響があれば他のトレードも書いていきたいと思います。